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2012年3月30日 (金)

アルタイ語族と朝鮮語と日本語

 私は、アルタイ系種族の歴史や他国との関係、その中身を深く知る者ではありません。ただ、日本語と韓国語の比較研究をしていると、アルタイ語について語る研究者の書籍によく出会います。朝鮮語はアルタイ語族に属すると言われていますが、日本語は同系語ではないという説を見ます。しかし、韓国語も日本語もアルタイ語族に属するという研究者(学者)がいます。

例えば、金思燁(ハーバード大学招聘教授、慶北大学院長、東国大学日本学研究所所長などを歴任)、李男徳(文学博士 梨花女子大 東亜大学教授などを歴任)、徐廷範(慶熙大学名誉教授 同アルタイ語研究所所長)などは、「日韓語はアルタイ語族に属する言語である」「古代日本語は韓半島からの渡来人の言葉で形成されている」と述べています。

アルタイ山系は「金の産地」と言われ、アルタイは「」を意味します。「天馬塚」をはじめ「朝鮮半島の墳墓から出土する金工製品」が欧州の墳墓のそれらに劣らないのは、朝鮮がアルタイ民族の侵攻・洗礼を受けているためだという説があります。古代朝鮮の高い文化を築いた北方種族は、元来、遊牧民で馬を操ることにたけており騎馬民族とも言われています。アルタイ種族は「金種族」であり、アルタイ語は「金語」とも言えます。朝鮮に「金」という名字が多いのは、朝鮮の古代文化が「アルタイ人」すなはち「金人」によって形成されたからかもしれません。

騎馬民族による朝鮮制圧を認めない学者がおり、まして、彼らが倭国まで侵攻したという説に対しては怒声をあびせる傾向があるようで、騎馬民族の問題については今だ未解決のようであります。江上波夫(東洋史学者 19062002)は「日本における統一国家の出現と大和朝廷の創始が東北アジアの扶余系騎馬民族の辰王朝によって4世紀末~5世紀前半ごろに達成された」と推論する学説を公開したために、古代史の大問題として騒がれているという。

江上氏は、騎馬民族が倭国へ一気に侵攻して来たのではなく、徐々に渡来して倭国の定住者となり、「古事記」「日本書紀」を作り、日本という国号を作ったのではないかという仮説をたてているという。この説は言葉をかえれば、騎馬民族とは、すなはち朝鮮半島の住民ということであり、弥生時代に朝鮮半島からの倭国渡来人が急激に増加し、縄文末期約7.5万の人口が弥生時代に約60万、奈良時代に約600万になったという説に符合します。従って、当時の朝鮮人が騎馬民族由来人だとしても、当時の朝鮮人を騎馬民族という言葉で表現するのはいかがなものかと思われます。

日本や朝鮮の「天孫降臨の神話」は、騎馬民族のシャーマニズムの流れを汲むものとされています。すなはち、日本の神道は、中国文化の流れとは別の北方文化の流れを汲むものと言えます。つまり、日本には、中国文化の系統である「仏教」と、北方文化(騎馬民族の文化)「神道」の二つのものが混合している文化が連綿として続いていることになります。

言語上の展開から見ると、中国文化「漢字語文化」と北方文化「アルタイ語文化」が並列しています。いわゆる母語と称する言葉の表記を漢字でするには無理があり、朝鮮ではハングルが発明され、日本ではカナ表記が行われています。このような漢字表記と音標文字の並列的使用が、日韓両国のいずれの側にも存在しているという現実は、日本と韓国が北方民族の流れにも乗っていることを示しているのではないでしょうか。このような現象をもって、騎馬民族がどうのこうの言えば過剰表現にも感じられ、騎馬民族制圧説に怒号が飛ぶ議場になるのかもしれません。

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