日本神話は韓国が起源
昨年、ソウル市内の国立中央博物館で韓国の「檀君神話」 と「日本の建国神話」 を比較考察する学術会議が開催された。アジア史学会会長・出雲歴史博物館の名誉館長 上田正昭氏の論文が事前公開され、「天孫が空から降りる韓国と日本の神話には類似性が多い」との記述に注目が集まった。
日韓の神話を比較研究してきた上田氏は、日韓の天孫は山頂に降臨しており、共通点が多いと主張。百済の神の存在が、日本で継続的に命脈を受け継いできたと指摘している。
日本の建国神話は、韓国の「檀君神話」の影響を大きく受けており、この事実は韓国だけでなく日本史学界でも認められているという。「日本神話」は、主に八世紀初めに書かれた「古事記」と「日本書紀」の記述がもとになっている。この説は、「駕洛国記」による韓国の降臨地「亀旨<kuji>」と『記紀』による降臨地「久志」の音がそっくりであることからも否定できないだろう。
また同会議に出席した、京都産業大学文化学部国際学科の井上満郎教授は「韓国の檀君神話と伽耶の首露王は、日本神話に登場する天孫ニニギと同じような要素を持っている。日本の天孫降臨神話が朝鮮半島系ということは疑う余地がない。」と述べている。
また、韓日天孫文化研究所所長のホン・ユンギ氏は、日本の建国神話は、天孫が降臨する「檀君神話」などをはじめとする話を織り交ぜて作られたものであり、「三種の神器」も「三種の宝器」として「檀君神話」に登場する。日本の代表的な民族学者、東京都立大学の岡正雄教授も、すでに一九四九年にこれを認める発表をしているという。
学者ならぬ凡人にでもわかることは、日本にも朝鮮にも、「仏教」以前からあった「神道」の存在である。「神道」は、朝鮮半島の古代文化を形成した北方民族 (騎馬民族) のシャーマニズムに由来すると言われている。北方民族のシャーマニズムは「天孫降臨神話」をもっており、「天孫降臨神話」が日本にも朝鮮にもあるということは、騎馬民族によって形成された朝鮮文化の流れに日本も乗っていることになる。弥生時代から急増した朝鮮渡来人が、倭国へ「神道」をもちこんだのはごく自然な流れでしょう。
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